Technical info

技術情報

技術亜塩素酸ナトリウムによるがん治療薬開発

MA-T®システムの癌領域への展開

MA-T®はMatching Transformation System®の略で、革新的な酸化制御技術です。亜塩素酸イオンから必要な時に、必要な量の活性種(水性ラジカル)を生成させることで、流行性ウィルスをはじめとするウイルスの不活化、種々の菌(細菌)の除菌を可能にします(日本MA-T工業会HPより引用 https://matjapan.jp/mat/ )。

当社では、MA-T®システムの医療応用を目指し、上皮がんに対する抗がん剤開発を行っています。
亜塩素酸イオンが酸性環境下でラジカルを発生する性質を利用します。がん細胞は一般的に正常細胞に比べ細胞周囲や細胞膜が酸性で、亜塩素酸イオンはこれを認識しラジカル化します。ラジカルは癌細胞を攻撃し、癌細胞が消失してラジカル化の原因が除去されるとラジカル化は起こりません。効率的で安全性の高いメカニズムであることが、様々な実験により証明されてます。

膀胱がん細胞株による基礎検証,細胞を用いた試験において、亜塩素酸ナトリウムが膀胱がん細胞の増殖を抑制することが実証されています(大阪大学大学院薬学系研究科 細胞生理学分野の辻川和丈 教授らの研究グループによる)。

HM-001による抗腫瘍効果

癌組織に対する抗腫瘍効果は、膀胱がんのPDX(患者由来がん細胞移植動物)モデルを使用した実験、ならびに、膀胱がんの株化細胞を用いた膀胱内移植動物モデルを使用した薬効実験で立証されてます。

PDXから患者由来膀胱がん組織を摘出し細切し、シャーレ上でHM-001の各濃度に2時間暴露後、動物に再移植し腫瘍の成長度を測定したところ、癌組織の増殖を抑制する結果が得られてます(800・3200ppmは医師主導治験で患者に投薬する濃度になります)。

動物の膀胱内にがん株化細胞を移植した膀胱癌モデルを用い、患者への投与と同様の投与を実施した実験では、800ppm以上の濃度において、腫瘍の増殖が抑制されました。また、この実験では、腫瘍がない正常組織に対して刺激性がないことも確認されてます。

技術ALKBH阻害剤

ALKBH阻害剤/エピトランスクリプトーム創薬で革新的ながん治療薬を開発

エピトランスクリプトーム

DNAと同様に、RNAのメチル化修飾を制御するメチル化酵素や脱メチル化酵素が発見されてきました。それにより、 RNAの後天的修飾による遺伝子やタンパク質の発現制御は、エピトランスクリプトミクス(Epitranscriptomics)と呼ばれる学問領域を創出しました。現在までに、RNAはDNAと比べて多様な修飾を受けており、170種類以上の翻訳後修飾の存在が知られています(これら全RNA修飾体の解析をエピトランスクリプトームと呼びます)。RNA修飾はRNA塩基の電荷や塩基対の特性を変えるため、エピトランスクリプトームもエピゲノムとともに細胞における重要な遺伝子発現制御機構となっています。

ALKBH

メチル化による RNA制御の一部は癌生物学に関連しています。 ALKBHは、特定のメチル化 RNA を脱メチル化する酵素のグループであり、特定の癌細胞で高度に発現されます。

ALKBH阻害剤開発のコンセプト

ALKBHにより脱メチル化されたRNAの一部は癌細胞に優位に働くことが推察されます。
我々はALKBHを阻害することで癌細胞を抑制する新規メカニズムの医薬品を創出します。
現在、ALKBH3阻害剤関しては動物モデルで薬効が得られてます。今後、毒性・動態側面で最適化合物を取得し新規医薬品の創出を果たします。

技術PDX/PDC

創薬基盤技術;PDX/PDC

ヒトでの薬効・毒性の予測性の高い細胞・動物モデルの構築・利活用。
HOISTではPDCの同所移植の検討にも注力。

PDX/PDC
患者検体から摘出された検体(癌組織・細胞)を利活用

PDX/PDCモデルは、現在まで主流であった癌株化細胞を用いた評価に比し、ヒト予測性が高いことが示され、研究に活用される機会が増えてきております。

HOISTのPDX/PDCは、初代~初代に近い細胞・組織(3継代以内)を利活用でき、患者情報も豊富であることから、より予測性の高い評価系を構築しています。

同PDX/PDCは他社からのリクエスト(遺伝子変異、既存薬抵抗性、同所移植モデル等)に応じ共同研究可能な環境であり、創薬研究をサポートします。

自社活用

臨床試験失敗リスクの低減
(自社PLの成功確率向上)

外部創薬支援

PDXマウスの製造販売
PDCパネルを用いた受託試験